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IT大国ロシア

ロシアのITベンチャー、ロシアの大学生、ロシアのあれこれ、日本ではアクセスしにくい情報やニュースを発信します。

勝手に選ぶ、ロシアで注目すべきインキュベータ 10選


僕自身、ビジネスコンテストやカンファレンスなど、イベントが大好きなので、インキュベータやアクセラレータプログラムには興味津々です。

そこで今回は、独断と偏見で、注目を集めている or 実績のある支援者(インキュベーションセンター、VC、プログラムなど)をご紹介します。


-大学編-

МГУ Бизнес-инкубатор
2011年に設立された、モスクワ大学附属のインキュベーションセンター。既に29社を支援しており、企業価値は 30億円にのぼるとされています。さらに、15億円程度のファンド設立に向けて準備中です。大学附属のインキュベータとしてはトップの実績を誇っています。

HSE{Inc}Business Incubator
2006年にロシアではじめて設立された、学生向けのビジネスインキュベータ。National Research University - Higher School of Economics (HSE)。入居企業は15社までで、ロシアの最大のビジネスコンテスト に2年連続でファイナリストも輩出しています。ロシアでは歴史も長く、ある程度ネームバリューを持っています。


-ファンド編-

Фонд Развития Интернет-Инициатив (ФРИИ)
ネットビジネスに特化したアクセラレータ。
20137月設立。1回目のプログラムでは、35社が参加し、45社にはコンサルティング(オンライン含む)のみ提供し、全部で80社を支援しました。3ヶ月のプログラムで、株式7% と引き換えに、アイデア段階でも250万の投資を行います。プーチン大統領の後ろ盾 があるようで、3年で190億円の予算がついていますが「もっと出してもよい」と積極的な姿勢を見せています。

Phystech Ventures
理系教育が盛んで、
起業家を多く輩出しているモスクワ物理工科大学に
特化したVCファンド。Fintech, Edutech, HealthcareIT, 3D-printing, Efficient energy use, Technologies in oil & gas の分野に1件あたり5000万円程度のシード投資を行っていく。RunaCapital AlmazCapital という有名なVCファンドのキャピタリストらが運用し「ビジネスサイドは全部やる」と公言しています。


-プログラム編-

Startup Access
MITを卒業したロシア人のシリアルアントレプレナーが設立。プログラムでは、20人のメンター、10人のVCと共に 2週間ボストンに滞在します。MITネットワーク(MIT100K, MIT Media Lab, MIT Sloan Business School )にアクセスでき、フィードバックやネットワーキングが可能になります。年2回の開催で、各回10~15組が対象。

Deep Dive
RIS Venture シリコンバレーにて開催するプログラム。ロシア生まれで、Evernote創業者フィル・リービンをはじめ、シリコンバレーで有名な起業家がメンターにつきます。参加者の95%が自分のサービスに有益だったと感じています。また、モスクワでも、(クラウドSaaS)スタートアップ向けにスタートアップガレージという23日のプログラムをマイクロソフトと提供しています。

Launch-Gurus
スコルコボビジネススクール
にある "スタートアップアカデミー" からスピンアウトしたプログラム。2年間で100社を支援し、卒業生のスタートアップには50億円の企業価値がついています。プログラムは10週間にわたり、2週間はシリコンバレーに滞在します。参加費は11500ユーロ。2014年 5月より、VC向けのアカデミーを開校予定。


-地方編(≒行政編)-
Ingria
サンクトペテルブルク
最大かつ有名なインキュベータ。2008年に政府主導で設立されました。現在は、IT、バイオ、ハイテク の分野から 86社が入居しており、2009年から30億円以上の増資を支援し、支援先の総売上は36億円にのぼります。

Navigatorcampus
第二のロシア版シリコンバレー カザンにある、3Dプリンターやウェアラブルをはじめとした、ハードウェアに特化したアクセラレータ。3Dプリンターはもちろん、プロトタイプの製作に特化した工作室があり、Dell, Samsung, IBM, Cisco, Intel などから技術指導を受けることもできます。20社の枠があり、15社ほど既に入居しています。

Academpark
学術都市ノボシビルスクにあるインキュベータ。学術研究に基づいたビジネスベンチャー企業を創出しようと、研究機関、大学、インキュベーションセンターが徒歩圏に集まり、シベリア発のベンチャーエコシステムを創ろうとしている。


感想
これらを知っていれば、ロシアの傾向を掴めるといっても過言ではないと思います。ロシアでは(も?)、リーマンショック後、いろんなプログラムや組織が立ち上がっており、スタートアップ界隈は盛り上がりはじめています。

VCについて、日本との大きな違いは、支援者にシリアルアントレプレナーが多いことだと思います。決して知名度が高いわけではないですが、30~40代で2社以上の Exit 経験があるのは珍しくない、という感じです。さらに、多くの方がコンピュータサイエンスか物理学で修士号、博士号を取得しています。

あと、日本でいう KDDIの無限ラボ、NTTのイノベーションビレッジのような、大企業による支援プログラム、というのは聞きません。まだまだIT業界(ネット業界)が小さいというのもあると思いますが。