ロシア就職先ランキング 2013年度版
最近になって、また雪が降るようになりました。でも寒くはありません。
僕の通うサンクトペテルブルク大学経営学部は、ロシアのビジネススクールで 7年連続 1位に選ばれるとてもいいビジネススクールです。先週、大学の授業 (International Finance)で Citibank の方がゲストスピーカーとして登壇しました。
そういえば、秋頃にはロスネフチ*1という世界最大の石油会社の企業セミナーがあり、大学の廊下には、P&G、ユニリーバ、PwC などのポスターが貼ってあります。
ロシアで "在学中の就職活動" はあまり主流ではないのですが、さすが将来は幹部候補の学生たち、インターンシップの応募などに関しては積極的で、ロシアといえど日本とあまり変わらない気がします。
そこで、ロシアの人気就職先を探してみたら、UNIVERSUMという企業が Russia's Ideal Employers 2013 という調査を行っていました。
Number of participants in 2013: 10,439 respondents
Number of universities targeted: 72 leading universities
Number of employer evaluations: 29,845
Field period: December 2012 to March 2013
簡単な解説をしておくと、ガスプロム*2、ルクオイル*3、ロスネフチ*4はロシアを代表する天然資源。ズベルバンク*5、VTB24 は銀行。ヤンデックスはロシア版 Google。
2011年のアンケートでは、就職活動で考慮することトップ3は以下の通りでした。
‘Financial Strength’ (62%), ‘Market success’ (46%) and ‘Good reputation’ (34%)
ビジネス部門
外資コンサル、外資メーカーの人気は日本と同じですが、2011年と比べると面白い傾向が2つあります。
①自動車メーカー
2011年は、4位にBMW、8位にトヨタ、と自動車メーカーがランクインしていました。しかし、2013年は、BMW12位、トヨタ19位、とランクを下げています。
②コンサルティング会社
2011年は、10位以内にコンサルは1社もありませんでした。それが今となっては、3位 マッキンゼーと 9位 PwCです。
IT部門(プログラマ)
この部門は今年新設されたばかりなので、単純な比較はできません。ただ、アメリカの大企業が上位を総なめ、という点は面白いです。
Google はじめアメリカの大企業は、ロシアに R&Dセンターを設立し、安い人件費で(でもロシアでは高い方) 優秀なプログラマ(エンジニア)を雇っています。IT業界 2位の売上*6を誇る Lanit ですら 41位ですから、ロシア企業の不人気さが伺えます。
ちなみに、日本では起業家の王道?になりつつある、理系×コンサルの兆候はあまり見られませんでした。マッキンゼーの26位が最上位です。データサイエンティストとか強そうなのに...。
感想
日本の学生と比べると、ロシアの20代前半は受身な印象があります。国柄?をくみ取ると、ロシアで若者といえば18歳~35歳を差し、修士課程への進学率も比較的高いことから、20代前半は教えてもらうもの、という雰囲気が根付いています。
ゆえに、キャリア志向の学生である程、大企業でしっかりとした研修を受けたい、という想いは強いと思います。(そもそも、新卒をとってくれるのは大企業くらい、という見方もあります)。
外資企業が人気な理由はたくさんあると思いますが、個人的に、大学への寄付(援助?賄賂?)が大きいのは重要なポイントだと思います。冒頭で述べたように、文系理系問わず、タッチングポイントが多いのは外資企業ばかりです。
少子化だからこそ、産学連携は採用の観点でこそ重要になってくる気がしました!
出典:UNIVERSUM