IT大国ロシア

ロシアのITベンチャー、ロシアの大学生、ロシアのあれこれ、日本ではアクセスしにくい情報やニュースを発信します。

ロシア全土から1600件の応募があるビジネスコンテスト



今日は、政府が支援しているビジネスコンテストを紹介します。

2011年くらいまで、ロシア中でさまざまなビジネスプランコンテストが開催されていましたが、最近どうやら BIT Competition というものに統合されはじめています。以前訪問したインキュベータでも「自前ではコンテストを開催しなくなった」と言っていました。

はじめて情報をみつけた時は、略称に惑わされましたが、まとめると以下の通りです。

主催:Russian Venture Company (RVC) :政府系VC
開催場所:API Moscow:政府系インキュベータ
コンテスト名:BIT Competition
プログラム名:Generation S


コンテスト概要
--------------------------------------------------------------------------------------------------------
2003年から、毎年10月に開催されるロシア最大級のビジネスプランコンテストです。2010年の応募は400件でしたが、2013年には1600件もの応募がありました。部門などは設けられていませんが、大枠は ①IT ②ハイテク ③バイオ に分けられます。(日本のように"社会起業枠"はありません)。


書類選考を通過し、セミファイナルに臨む70チームは、2週間のメンタリングプログラム(GenerationS)を受けることができます。72名のスピーカーによるセッション、90名のメンターとのミーティング、それらを経てファイナリスト15チームが選出されます。その後、最終プレゼンを通じ、賞金1000万円を分配します。ちなみに、2013年は「選びきれなかった」という理由で、特別16チームがファイナリストとしてノミネートされました。

2013年度の受賞チーム4社を紹介します。(見出し数字は便宜上のためであり、順位ではありません)


1) 3D Metal Print
--------------------------------------------------------------------------------------------------------
従来の3Dプリンタでは、十分な強度をもった金属素材を作ることができませんでした。そこで、金属素材を作ることに特化したプリンタを開発し、航空会社などにおいて、自前で部品の調達を可能にします。ナノテクに関する 20の特許を取得し、300本の論文を書く教授や40のロボットを開発する技術者によって構成されるチームです。


2) БиоМикроГели (Bio Micro Gell)
--------------------------------------------------------------------------------------------------------

水と混ざった油を分離させる、バイオゲルを提供しており、水質汚染など環境問題の解決に取り組むNPOです。ウラル大学を卒業後、さまざまなキャリアを歩んだ友人らと共にスタートしました。現在は1時間で1000リットルの水を浄化でき、分離させた油は製品の原料としての再利用が可能とのことです。


3) Appercode
--------------------------------------------------------------------------------------------------------

1つのコードを書けば、iOS, Android, Windows Phone, Windows 8 すべてにおいてコードの複製が可能になり、制作期間を3〜5倍短縮できます。スタートアップ界隈ではとても名を馳せており、マイクロソフトから600万円の賞金とサポートを得ながらリリースしました。海外展開にも力を入れています。


4) Wayray
---------------------------------------------------------------------------------------------------------
以前の記事 ロシアのハイテク・スタートアップ6選 をご覧ください。


出典